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バイク初心者の装備の揃え方|優先順位と、法令・規格の確認ポイント

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本記事は特定の商品を紹介するものではなく、法令・規格に関する公表情報の整理です(商品リンク・広告はありません)。

免許を取ったあと、最初につまずきやすいのが「装備って何から揃えればいいの?」という疑問です。解説記事は多いものの、情報が散らばっていてかえって迷う、という声もよく聞きます。

この記事では、安全に直結するものから優先順位をつけて、初心者が最初に揃える装備7つを整理します。あわせて、判断の土台になる法令・規格の事実——どのヘルメットが法律上の要件を満たすのか、JIS・PSC・SGの各マークが何を示すのか、プロテクターのCE規格レベルが何を意味するのか——を、公的機関・規格団体・メーカーの公表情報をもとに押さえていきます。

なお、装備の価格は販売店や時期によって大きく変わるため、本記事では金額の目安を断定せず、揃える順番と確認すべき規格に絞って解説します。


最優先で揃えるべき装備(安全直結)

まずはこの3つ。命に関わるので、ケチらずに揃えてください。

① ヘルメット(法令上の義務。まず規格表示を確認する)

ヘルメットの着用は努力義務ではなく、法律上の義務です。道路交通法第七十一条の四は「大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない」と定めており、第2項で「一般原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで一般原動機付自転車を運転してはならない」としています(2026-09時点・e-Gov法令検索)。同じ条文の第3項では、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)については「かぶるよう努めなければならない」と努力義務にとどまる点も、区別して覚えておくとよいでしょう。

では「乗車用ヘルメット」として何を選べばいいのか。 判断材料になるのが次の3つの表示です。それぞれ性格が違います。

表示根拠何を示すか
PSCマーク消費生活用製品安全法乗車用ヘルメットは同法の「特定製品」に指定されており、国内で販売される製品に必要な表示
JISマーク(JIS T 8133)産業標準化法に基づく国家規格乗車用ヘルメットの性能・試験方法を定めた日本産業規格への適合
SGマーク製品安全協会(民間・任意)同協会のSG基準への適合。加えて賠償制度が付く

JIS T 8133は「乗車用ヘルメット」という名称の日本産業規格で、規格概要には「この規格は,原動機付自転車,自動二輪車(サイドカー付きを含む。),及び一般四輪自動車の運転者及び同乗者のための乗車用ヘルメットについて規定する」とあります。1970-11-01に制定されて以降、直近では2015-10-20に改正、2020-10-20に確認、そして2026-03-23に改正されており、現在の最新版はJIS T 8133:2026です(2026-09時点・日本規格協会)。なお「JIS」は産業標準化法に基づく日本産業規格で、かつての「日本工業規格」という呼称は現在の正式名称ではありません。

SGマークについては、製品安全協会が乗車用ヘルメットのSG基準で「バイク用ヘルメットについて、耐衝撃、耐貫通性、滑り抵抗、脱げにくさ、あごひも強度、視野確保などを規定しています」と説明しており、同協会のページ上で「PSC特定品目」とも明示されています(2026-09時点・製品安全協会)。SGマークのもうひとつの特徴が賠償制度で、「SGマークが貼付された製品がかかわる事故で、それが製品の欠陥によるものと判断された場合に治療費等(人的損害)を賠償します。一事故あたりの賠償金額上限は1億円です」とされています。ただし対象は日本国内で発生した事故に限られ、物的損害は対象外、原則としてSGマークの有効期限内の事故が対象、という条件が付きます(2026-09時点・製品安全協会)。

形状はフルフェイス・ジェット・システム(フリップアップ)の3種類が主流です。初心者には顔全体を保護できるフルフェイスが選ばれることが多く、転倒時に顎の部分まで覆われるかどうかが形状の分かれ目になります。選ぶ際は、上の3つの表示のうち複数が付いているか、サイズが頭に合っているか(店頭で実際にかぶって確認する)を基準にします。

② グローブ(転倒時に手を守る)

転倒したとき、人はとっさに手をついて体を支えようとします。バイク用グローブは手のひら側や甲側に補強・パッドが入っており、素手や一般の手袋との差が出るのはここです。あわせて走行風や雨を防ぐ役割もあるため、長距離での疲れにくさにも効いてきます。

規格の話をしておくと、バイク用グローブの欧州規格はEN13594です。ただし国内向け製品では適合表示のないモデルも多く、「CE規格レベル2ナックルガード」のようにパーツ単位で表記しているメーカーもあります。表示がある場合はその範囲で読み取り、表示がないものを「規格外だから危険」と決めつけない、という読み方が現実的です。

季節によって夏用・冬用・防水と使い分けが必要ですが、最初は春〜秋に使えるスリーシーズン対応のものを1つ選ぶところから始めるのが一般的です。

③ ジャケット(プロテクター入り)

バイク用ジャケットは、肩・肘・背中にプロテクターを入れられる構造になっているのが普段着との最大の違いです。ここで押さえておきたいのが、プロテクターのCE規格という共通のものさしです。

RSタイチは公式サイトで、CE規格を「交通事故における致死率の低下を掲げたヨーロッパの安全性能基準認定規格」と説明し、同社が他メーカーに先がけてCE規格を基準にプロテクターを開発してきたとしています(2026-09時点・RSタイチ公式サイト)。

バイク用プロテクターで押さえるべき規格番号は主に次の2つです。

規格対象部位レベル
EN1621-1肩・肘・膝などの関節部Lv.1/Lv.2
EN1621-2背中(バックプロテクター)Lv.1/Lv.2

レベルの違いについて、メーカーは「LV.1に比べ優れた衝撃吸収性を備えます」とLv.2を説明しています。実際の製品でいえば、EN1621-1 Lv.2の肘/膝用プロテクター(RSタイチ TRV077)はソフトタイプで13mm厚、材質はポリウレタン100%。EN1621-2 Lv.2の背中用(同 TRV044)も13mm厚の薄型設計で、幅広い衝撃に対応する2層構造とされ、サイズは高さ×横幅が38×26cm/40×30cm/43×32.5cm/48×34cmの4種、本体重量は約245g/約270g/約295g/約310gと公表されています(2026-09時点・RSタイチ公式通販)。Lv.2だから分厚くて重い、とは限らないというのが数値から読み取れる点です。

ジャケットを選ぶときは、まず「プロテクターが標準装備か、別売か」、次に「標準装備ならEN1621-1/-2のレベル表示があるか」を確認すると、比較の軸がはっきりします。素材はメッシュ・レザー・テキスタイルなどで季節適性が変わるため、1枚目は春〜秋に使えるメッシュまたはテキスタイル素材から選び、インナーで気温差を調整する方法が一般的です。


余裕があれば揃えたい装備

安全に関する最低限の3点を揃えたら、次のステップとしてこれらも検討しましょう。

④ バイクブーツ

バイク用シューズ・ブーツは、くるぶしのプロテクターと、シフトペダルが当たる左足甲のシフトガード(シフトパッド)を備えているのが一般のスニーカーとの違いです。

フットウェアにも欧州規格があり、番号はEN13634です。たとえばRSタイチのRSS013 DRYMASTERアローシューズは、製品ページに「EN13634.2017」のアイコンと「CE規格LV.1の保護能力を有しています」という表示があります(2026-09時点・RSタイチ公式通販)。ただしグローブと同様、国内向け製品では規格表示のないモデルも多いため、表示があるものは判断材料として使い、ないものは保護部位(くるぶし・かかと・つま先)の記載で見る、という読み分けになります。

⑤ プロテクターパンツ

膝・腰・尻のプロテクターが入ったバイク用パンツです。ジャケットと合わせて揃えると上下の保護バランスが取れます。膝用プロテクターの規格はジャケットの肩・肘と同じEN1621-1で、Lv.1とLv.2の2段階(2026-09時点・RSタイチ公式通販)。標準装備がLv.1の製品でも、同じポケットに入るLv.2品へアップグレードできる場合があります。普段着の上から装着できるオーバーパンツタイプもあるので、通勤・通学兼用にもなります。

⑥ インカム(ツーリングするなら)

グループで走るなら会話用に、ソロでも音楽やナビ音声を聞くために使われます。まずはエントリーモデルで試し、通信距離や同時接続台数に物足りなさを感じたら上位機に移る、という流れが取りやすいカテゴリーです。

⑦ ドライブレコーダー

接触事故などの記録用として、バイクでも選択肢が増えてきました。前後2カメラのモデルなら車体の前後を同時に記録できます。優先順位は安全装備より低めですが、長距離ツーリングや都市部走行が多いなら検討対象になります。


揃える順番と、確認すべき規格の早見表

装備は一度に全部揃えなくても構いません。法令上の義務があるヘルメットを起点に、保護部位の広い順へ足していくのが分かりやすい順番です。

順番装備位置づけ購入前に確認する表示・規格
1ヘルメット道路交通法第71条の4で着用が義務PSCマーク/JIS T 8133(現行はJIS T 8133:2026)/SGマーク
2グローブ転倒時に最初に接地しやすい部位EN13594の表示(ある場合)、ナックル部のCE表記
3ジャケット肩・肘・背中の保護EN1621-1(肩・肘)/EN1621-2(背中)のLv.1・Lv.2
4シューズ・ブーツくるぶし・かかと・つま先の保護EN13634の表示(ある場合)、シフトガードの有無
5パンツ膝・腰の保護EN1621-1(膝)のLv.1・Lv.2
6インカム快適装備規格要件なし(通信距離・同時接続台数で選ぶ)
7ドライブレコーダー記録用規格要件なし(記録解像度・前後カメラの有無で選ぶ)

(規格の名称・番号は2026-09時点・e-Gov法令検索/日本規格協会/製品安全協会/RSタイチ公式通販の公表情報より。価格の目安は販売店や時期で大きく変わるため、本記事では記載していません)

1〜3が全身のうち最も保護の優先度が高い部位をカバーします。4以降はツーリングの頻度や走り方に合わせて足していくのが現実的です。


よくある質問(FAQ)

Q. どの装備が「法律上の義務」ですか? A. 装備のうち法令が着用を義務づけているのは乗車用ヘルメットです。道路交通法第七十一条の四は、大型自動二輪車・普通自動二輪車について「乗車用ヘルメットをかぶらないで(中略)運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて(中略)運転してはならない」、一般原動機付自転車について「乗車用ヘルメットをかぶらないで一般原動機付自転車を運転してはならない」と定めています(2026-09時点・e-Gov法令検索)。グローブやジャケットは法令上の着用義務ではありませんが、保護性能の面から優先度が高い装備として扱われます。

Q. 全部でいくらくらい必要? A. 装備の価格は販売店・時期・モデルで大きく変わるため、本記事では金額の目安を断定していません。順番としては、法令上の義務があるヘルメットを最優先に、次いでグローブ、ジャケットと保護部位を広げていくのが分かりやすい進め方です。最新の価格は各販売ページでご確認ください。

Q. 中古の装備でも大丈夫? A. ヘルメットは外から見えない衝撃歴や経年劣化の状態を判断できないため、中古は避けるのが一般的な考え方です。制度面でも、製品安全協会のSGマーク賠償制度は「原則として、SGマークの有効期限内の事故が対象となります」としており、期限切れの製品による事故は対象外とされています(2026-09時点・製品安全協会)。工具やスタンドなど、身体の保護に直結しない用品は中古も選択肢になります。

Q. 通勤・街乗りだけでも装備は必要? A. ヘルメットについては、道路交通法が走行距離や用途で例外を設けていません。大型・普通自動二輪車と一般原動機付自転車の運転者に着用義務があります(2026-09時点・e-Gov法令検索)。グローブやジャケットは義務ではありませんが、発進・停止の多い街乗りでも立ちごけや低速転倒は起こり得るため、短距離でも装備をそろえておく意味はあります。

Q. どの季節の装備から買えばいい? A. 乗り始める季節に合わせるのが基本です。夏ならメッシュ素材のジャケットとグローブ、冬なら防風・防寒タイプから揃えます。オールシーズン対応のジャケットを1枚選び、インナーで調整する方法もあります。

Q. 女性向け・体格に合う装備はある? A. 各メーカーが女性向けサイズや細身の展開を用意しています。たとえばRSタイチのバックプロテクターTRV044は、ジャケットのサイズに合わせて38(WS・WM・WL・WXL対応)・40(S・M・L)・43(XL・XXL)・48(3XL・4XL)の4サイズが設定されています(2026-09時点・RSタイチ公式通販)。プロテクターは正しい位置に当たってはじめて設計どおりに働くため、試着できる場合は実際に着用し、肩・肘・背中の位置関係を確認するのがおすすめです。


まとめ

初心者が揃えるべき装備の優先順位をまとめます:

  1. ヘルメット(道路交通法第71条の4で着用義務。PSCマーク/JIS T 8133/SGマークを確認)
  2. グローブ(EN13594の表示があれば確認)
  3. ジャケット(EN1621-1/-2のレベル表示を確認)
  4. バイクシューズ・ブーツ(EN13634の表示があれば確認)
  5. プロテクターパンツ(膝はEN1621-1)
  6. インカム
  7. ドライブレコーダー

法令が義務づけているのはヘルメットだけですが、規格の番号とレベルを手がかりにすれば、残りの装備も「何がどこまで担保されているか」を自分で確認しながら選べます。表示のない製品が即座に危険というわけではなく、逆に表示があるからといって事故時の無事を約束するものでもない——という前提で、保護部位と規格表示を突き合わせて判断していくのが現実的な選び方です。

本記事の法令・規格に関する記述は、2026年9月時点でe-Gov法令検索(道路交通法)、日本規格協会(JIS T 8133:2026)、製品安全協会(SG基準・SGマーク賠償制度)、RSタイチ公式サイト・公式通販(CE規格に関する製品表示)に掲載されていた内容をもとにしています。法令・規格は改正される場合があるため、重要な判断の前には出典元でご確認ください。